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わたしの場合、感音性高度難聴4級になります
全くきこえないわけでも、全くきこえるわけでもない、
中途半端な立ち位置にいます笑


たとえば、補聴器を外すと、普通の話し声はきこえません
救急車が目の前を通ると、ややきこえる程度
補聴器をつけると、100%聞き取れるわけではありません
だいたい60%聞き取れているかどうかという感じです

私たちが生活しているうえで
自然に活躍している器官、耳について
ほんの少し説明させていただきます

*音ときこえのしくみ
耳の役割は音を聞くことである。
「音」とは、「音波」と呼ばれる空気や水の振動波、あるいは、その音波がヒトの耳に届いて引き起こす聴こえの内容を指す。
音は空気振動であり、振動数で音の高さが、振動の大きさ・振幅で音の大きさが決まる。そして、振動の波形で音質が変化。これらが、物理的な音の三要素といわれてる。

耳というと、だれでも耳介を指す。
しかし外観の耳は音の入り口に過ぎない。
音は耳に入ってから脳で認知されるまで、

音→外耳道→鼓膜→耳小骨→内耳(蝸牛)→聴神経→脳(聴覚中枢)

という経路をたどる。
 

耳介…音を集める。
外耳道…音を鼓膜に導く。
鼓膜…音を受けて、薄い膜が振動する。
耳小骨…ツチ・キヌタ・アブミの三つの骨が鼓膜の振動を内耳に伝える。
蝸牛…内部液(リンパ液)が振動し、音を電気信号に交換する。
聴神経…音を電気信号によって脳に伝える。
脳:聴覚中枢…音や言葉を認識する。

このように様々な器官をとおり、私たちは、「音」という「情報」を耳にし、理解している。

これらの経路がうまくできずに、情報が入らなくなり、コミュニケーションの支障が生じるのが、聴覚障害である。

次に、聴覚障害には、三つの種類に分けられています。それぞれに、どのような特徴があり、どのような原因があるのか。


*聴覚障害の種類
難聴の種類は、聴覚器官のどの部分に問題が生じたかによって、
「伝音性難聴」「感音性難聴」「混合性難聴」に大きく分類される。


伝音性難聴
外耳(耳介&外耳)と鼓膜及び中耳、つまり音を伝える器官による障害。
音を聞くための神経には、異常がないので、大部分は医学的治療によって、聴力を回復させることができる。また、補聴器の期待もできる。
鼓膜の損傷、中耳炎などが代表的。

 

特徴
・低い音や声が聞き取りにくい
・手で耳をふさいで聞いた感じ
・大きな音なら聞き取れる

 

伝音性難聴を示す代表的な疾患名
耳硬化症、耳垢栓塞、耳管狭窄症急・慢性中耳炎、外耳道閉塞...etc

 

感音性難聴
内耳かまたは聴覚神経(音を電気信号に加工したり分析する能力)に障害がある難聴。
単に小さな音が聞こえなくなるだけではなく、音の強弱に対する感覚異常が起こる。(小さい音が聞こえにくいのに、大きい音がうるさいという現象)また、音を感知するが言葉の意味がわからないなどの問題も伴うケースも多くある。
現在のところ、医学的治療が困難な場合が多い。
補聴器の効果は、個々の状況によって異なる。

 

特徴
・小さい音、カン高い音が聞こえない
・話し言葉が分かりにくい
・大きい音がやかましい
・聞きたい音が聞きにくい
・体調によって聞こえが違う

 

感音性難聴を示す代表的な疾患名
遺伝性難聴、突発性難聴メニエール病聴神経腫瘍騒音性難聴(職業性難聴)音響外傷、ウィルス感染による難聴、老人性難聴、蝸牛窓破裂症...etc


混合性難聴
伝音性難聴と感音性難聴が合併したもの。


 

****************

 

このように、それぞれ、原因または特徴などが異なります。
原因については参考資料に載ってあったもので、すべての人が聴覚障害をもつ理由がハッキリしているとはいえません。
原因不明の方もたくさんいらっしゃいます。

また、感音性難聴に関しては、補聴器をつければ、全ての音が聞き取れるわけではありません。
 

健聴者の間では、
 

「補聴器をつければ、健聴者並みまたはそれ以上に聞こえるようになる」

といった誤解がよくあります。


実際に、私の周りでも、「補聴器をつけているから、ちゃんと聞こえている」といった視点が強いです。

どうやら、目が悪い人がめがねをかけると、しっかりと見えるようになるように、補聴器をつければ、普通と同じように聞こえるに決まっているだろうと思っている方が多いようです。

 

しかし、残念ながら違います。

 

補聴器は、単に音を大きくするだけのものであり、言葉の識別を助けるものではありません。
話の内容まではわからないとしても、話しかけられていることが分かり、車のクラクションや大きな音が分かるようにと、身を守るためにつけている人もいます。

たとえば、裸耳(補聴器をつけていない状態)で、40%ぐらいしか聞き取れない人がいたとします。その人が補聴器をつけると、40%ぐらいしか聞こえなかったのが、80%~90%は聞き取れるようになります。しかし、ここで、全てが聞こえるようになっているわけでありません。残りの10%は聞き取れません。このたった10%だけで、聴力や聞こえる範囲はかなり違ってきます。

 

感音性難聴は、神経による難聴であり、どの器官がどのくらい壊れているかは人それぞれです。

どの音が、どのように聞こえが悪いかは、千差万別。


聴覚障害者が100人いたら、
100通りの聞こえの悪さ
があります。


また、聴覚に障害があるだけで、聞こえが悪くなる要因となるわけでありません。
環境によって、聞こえが悪くなり、音を聞き取れず、コミュニケーションが厳しくなるといったこともあります。


たとえば、


・精神的、肉体的な疲労
・普通の会話における声のトーンの変化(大きい・小さい、高い・低い)
・周りがざわついていて、うるさい
・教室のドアを閉めるなどの衝撃音がある
・聞き取りにくい声の質(筋の通ってない声など。)


これあの要因が積み重なり、聞こえる方には理解しがたい「聞き取れない」といった状況が生じます。


健聴者の世界で生きていく上で、補聴器をつけている聴覚障害者が、よく言われること。


「ちゃんと、聞いてる?」

「集中して話を聞いて。」


健聴者とのコミュニケーションで、このような言葉を言われた聴覚障害者もたくさんいます。

 

私たちは、

「聞いていない」のではなく、

残された聴力の中で、

必死に、一生懸命に、

聞き取ろうとしています。
 

聞きたくない、聞かないという気があるわけじゃないです。


そう見えたとしても、本人は、必死に相手の口を読み、想像を絶するほどの集中力を使い、相手の言葉を聞き取ろうとしています。

聴覚障害者に接する機会があったら、このことをほんのり思い出していただければ嬉しいです。

また、聴覚障害者当事者でもある方々にも、

上記のような心無い言葉に出会っても、人生終わりとか、健聴者なんて、、

と思わずに、ふさぎこまないでほしいなって強く思います。

互いの弱さや不得意部分を理解したり想像することは難しいこと。

自分の弱点をどうしたら克服できるか、どうしたらわかりやすいかと、

​想像しながら健聴者側に伝えることも大事です。


 

参考資料

「言語聴覚士の仕事」日本言語聴覚士協会(朱鷺書房)
「聴覚・言語障害者とコミュニケーション」全国手話通訳問題研究会編(一橋出版)

家庭の医学・健康-gooヘルスケア
http://health.goo.ne.jp/index.html
東京補聴器
http://www.tokyo-hotyouki.co.jp/
京都難聴者協会青年部
http://www1.plala.or.jp/t_nishimura/
暮らしの中の電気の知識
http://home.s00.itscom.net/large/ELEC/index.html
高齢難聴者の介護者支援マニュアル
http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~wwc1015/koureinantyou/index.html
バリアフリーおもちゃ箱
http://www.sign-eg.com/index.html

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