人 生 に 恋
To be in love with what life is
わたしの場合
20代・技術職(写真関係)
*聴力は?
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両耳70〜80dB。
耳で聞く音声と読唇術で半々。
口がみえないと何言ってるかわからない。
*いつからいつまで普通学校に通っていましたか?
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幼稚園に入園してすぐに難聴と発覚、それからずっと普通学校に通級。
大学は持病のため体力的に難しく、断念。
*どの科目が一番大変だと感じたか?
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音楽、英語、国語がもう嫌でした。
一番嫌なのは、”音読”。
席の並び順に当ててくれたら「いまどこを読んでいる」のか、まだついていけるけれど、
あてずっぽうだと、誰がいま読んでいるのか把握できず・・・
いつも隣の席に座るクラスメートにお願いして、
いまどこを読んでいるのか指でなぞってもらっていました。
*英語や音楽など、耳を使う授業に関してはどのように工夫をしていたか?
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歌う、リコーダー演奏に関しては、家でとにかく練習しました。
なかなかできなくてたくさん泣きました笑
英語はどう足掻いてもどうしてもついていけず、speakingとhearingは諦めて、
とにかく予習復習に力入れたり、writingに力入れてました。
国語さえ難しいのに、どうして英語という科目があるんだろうって恨んだこともありました笑
*コミュニケーションについて苦労したことはなにか?
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集団での行動、集団での会話によく苦労を感じてました。
女の子同士だと、話すことの事が多いので、いま何を話しているのか常に必死に聞き取ろうとしてました。
でも、ついていけないものはついていけないんですよね笑
話を聞き取ろうと必死になるあまり、「もう一回言って」と2度ほど言ったときに、「もういい」と相手にされなくなったりすることが度々あり、仕方ないとわかっていていても子供ながらに辛かったです。あと、後ろから呼ばれたことに気づかずにいたら、無視されたと勘違いされて、小さな喧嘩になったりすることも。笑
2人以上になると、唇を読むのが忙しくなって、帰宅したらいつもぐったりしてました。
*クラスでの友達とのコミュニケーションで工夫していたことはなんですか?
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親から、「耳のことは恥ずかしがらずに、ちゃんと言いなさい。礼儀だ。」と言われていたので、クラス替えがあるたびに、黒板の前に立って「わたしは耳が少し悪いです。呼ばれても気づかないときもあります。授業もついていくのが必死です。いろいろ迷惑かけるかもしれないけど、宜しくお願いします。」とお願いしてました。笑
最初は本当恥ずかしくて恥ずかしくて仕方なかったけれど、何度か経験していると慣れて、こうしたら伝わりやすいんじゃないか、こうしたら周りとの距離が近くなるんじゃないかって考えては試してました。
おかげさまで、現在はジョークを交えながら、さらっと自分の耳について言えるようになりました。
もはや、芸の一つです。笑
*授業を受けるにあたって、どういった配慮をお願いしましたか?
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中学のときまでFMマイクを付けてもらっていました。
音読のときに生徒に順番に持ってもらったり、授業で先生に持ってもらったり。←思いの外、耳がやられる。笑
席替えなど、必ず一番前の席にしてもらっていました。自分だけ席替えを楽しめないのが悲しかったけれど、授業についていくにはそれしかないんだと納得させてました。
宿題を出されるときや口頭での連絡はどうしても聞き取れないので、先生に黒板に書いてもらうようにお願いしたり、授業後すぐに先生に聞くようにしてました。
とにかく、毎回、わからないこと、聞き取れなかったことは先生に必ず聞くようにしてました。
質問しまくって嫌がる先生はあまりいませんでした。先生方曰く、質問が多い方が嬉しいようです。
*普通学校へ通うにあたって、どんなことが一番大変だったことは?
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授業についていくのももちろん、友達同士でのコミュニケーションかなぁ。
聞き取れないが故の小さなトラブルもたくさんあったり。
中学時代は学級崩壊していて、授業どころでなくて、
先生の言っていることが余計に聞き取れないのが一番辛かった。
「害児」など心無い言葉を言われたときは本当に悔しかったけど、がっつり言い返しました。苦笑
*普通学校に通ってよかったことはなにか?
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いろいろな人に出会って、いろいろな友達ができたこと。
聞こえないなりに悩まされたことはたくさんあったけれど、いろんなひとに出会ったことで、いろんな世界があって、ひとそれぞれなんだって思えたのは大きいとおもう。
聾学校だとクラス替えがなかったり、長年少人数で同じクラスで生活していくことを考えたら、その点、よかったなって思う。
2年ごとに一からクラスに慣れていくのは大変だったけれど、それがあるからこそ、いろんな人と交流したり、人と交流する勉強ができ、社会に出る上でとても役に立ちました。
*ろう学校に行きたいとおもったことがありますか?
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もちろん!!!
ろう学校に行けば聞き取れないという疎外感を感じることなく、友達と楽しめると思っていました。
でも、いろんなことを考えたときに、社会の一員になるには普通学校のほうが為になるのかなって思ってました。
*学校以外で習い事をしてましたか?
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小学のときは、水泳、絵画教室。
水泳では、補聴器を外すので、音なし状態で教わっていました。
ボディーランゲージと見よう見まねでなんとかなりました笑
あと、林間学校に行かされました。←いまとなっては感謝。
*普通学校へ通うにあたって心得て欲しいこと
そして、普通学校へ通う後輩へのメッセージ!
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普通学校に通っていると「楽しい」ことよりも、「苦しい」と感じることが多いかもしれない。
自分だけ補聴器をつけていることに違和感を感じたり、いじられたりすることもあったり、
自分はなんなんだろう、みんなと違うって、アイデンティティーについていろいろ悩んだりすることもある。
わたしも学生時代、たくさんたくさん泣きました!笑
でも、「聞こえないから自分はダメなんだ」「ここにいてはいけない人間なんだ」「恥ずかしい」と思わずに受け入れてほしい。
自分を嫌いになるのではなく、自分を好きになれるように、
得意なことをみつけたり、夢中になれることをみつけてみてほしい。
きこえなくてもできることはたくさんたくさんあります。
周りの人が理解してくれない。と思うこともあるかもしれないけれど、
それは理解がないのではなく、冷たい人間なのではなく、わからないから誤解が生じやすいだけ。
きちんと説明したら手を差し伸べてくれる人もいます。
自分から一歩踏み出してみて。
失敗してもいい。失敗すればするほどわかってくることもあるから。
一人で悩まずに、誰かに相談したり話してみて欲しい。
親がだめなら、担任。
担任がだめなら、保健室の先生。
おとながだめなら、友達に話してみよう。
いまとてつもなく辛いかもしれないけれど、
少しずつ大人になっていくと、
自分の力でできることが本当に増えてきて楽しくなります!
でも、我慢しすぎないでね。