差別と偏見。
自分が体験してきた差別や偏見を公することになんだか違うなと長年感じていて、公にせずにいました。 でも、言葉を紡いで公にすることも、誰かにとって一筋の力になる場合があると気付かされ、ようやく決心。"社会との付き合い方"と題して、差別や偏見にも触れたページを作成中。 なんだろうな。 社会で生きて行くことで、理解ある人もいれば、ない人もたくさん。
優しい人もいれば、優しくない人もたくさん。
温かい言葉もあれば、刃のように突き刺してくる言葉もたくさん。
何においても、紙一重。
でも、これだけは頭にいれておいて欲しい。
もし、あなたが、人として否定されるような言葉を浴びたとしても、
あなたの周りにいる人、すべてがそういう人たちではない。
どこかに、ちゃんと見てくれている人が存在してる。
あなたに言葉の刃を向けた人たちは、
たまたまその人が無知で、その人は低レベルなかわいそうな人。
でも、悔しいことに、彼らから学ばされることも多々あるんです。 悔しいけれど。笑
「悔しい」と思うだけではなく、見方をほんの少し変えてみてほしい。 ひょっとしたら、ヒントが現れるかもしれない。
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聴覚障害を抱えていても、
持ち前の明るさと人見知りもない自分で、
普通学校における壁もいろんな人に支えられて、どうにか打破してきました。
聴覚障害者である前に、一人の人間として堂々と生き、 自分の中に「障害者なんだ」という意識もあまりなく。 誰よりも喋るし、誰よりもうるさい性格な自分。笑 でも、、 社会にでると、「障害者」というレッテルの想像以上の重さを痛感。
初対面の人に対して、自分の耳のことを伝えることは礼儀でありマナーであると考えているので、面接を始める前に必ず耳のこともお伝えし、履歴書にも書いてます。そうでなければ、相手の言っていることが聞き取れないから。会話がスムーズにいかないから。 数え切れないほどの面接をうけてきましたが、
いろんな言葉がありました。
わたしが聴覚障害者だとわかった途端、 険しい顔つきになり、
「障害者の雇用は受け付けていません。」
「聞こえないことでトラブルが起きたらどうされるんですか?」
「聞き取れなかったことで現場の人間と行き違いがあった場合、どう責任とれますか?」
「電話できないんですよね?じゃあ、無理です。」
「申し訳ないけれど、ここはあなたが働ける場所ではありません。お引き取りください。」
「あなたを採用したところで、障害者ということでたくさん傷つけるだけです。周りにも迷惑かけるだけです。」
「試用期間3ヶ月だけど、その間に何かがあったら大変だから、試用期間三日で決めさせてほしい」 と、履歴書に一切目を通さず、お断りされたり、 みてくれたとおもいきや、心ない言葉もあったり。
なんとか採用されたとしても、
現場では冷たい視線も意外とあり。。
仕事仲間から、
「なんで、上があなたを採用したのか理解ができない。」
「上が決めたことだから文句言えないけど、障害者と一緒に働く気持ちになってほしい。」
「こんなに大きな声で言ってるのに、聞き取れないの?バカにしてるの?」 「あなたが聞こえる人ならずっとずっと良かったのに。」
という言葉を直接言われたり、 お客様から、 「聞こえないの?なんで障害者なのにここにいるの?」
「障害者に接客してもらいたくない」
と心ない言葉を言われることも。
学生時代は聞こえる人と変わらずに生活してきただけに、社会に出て、初めて、「聴覚障害者」に対する冷たい視線がこんなにも溢れているんだと衝撃をうけました。
それ以上に、
「わたし」
という人間を見てもらうことが、 こんなにもこんなにも難しいことだったとは。
どうしたら、 「障害者は使えない」
というマイナスイメージを覆せるんだろうか。
あまりの悔しさに、
たくさん考えました。たくさん悩みました。
涙を流したって、なにも変わらない。
相手の性格を変えるのは、すごくすごく難しいこと。
でも、相手が冷たいからといって、自分も冷たくなるのではなく、最低限の挨拶だけは無視されても睨まれても、笑顔で挨拶。
また、
目に見える自分の努力が必要だと気づき、
資格取得に励んだり、とにかく、明るく、笑顔絶やさずに、人一倍努力するようにしました。
笑顔がもたらす影響も、なかなか捨てたもんじゃないです。
少しでも、マイナスイメージを減らすには、自分から笑顔で頑張るのが大事。
どんなに相手が無知で冷たい人でも、
悔しいけれど、
尊敬できるところが一つ二つあったりするんです。
だから、それをみつける努力をしてみたり。 そういう人に限って、周りから好かれている人だったり・・・そういうときこそ、周りに相談できないんですよね。相談したところで、悪口に捉えられてしまうから。苦笑
嫌なことを考えれば考えるほど、嫌な方向にいくもの。
自分が相手を嫌いと思えば思うほど、相手に伝わるもの。
"考え方次第で変われるはずだ。
もしかしたら、自分の仕事ぶりをみて、差別や偏見が減るかもしれない。とにかくがんばろう。 どんなに最低な人でも仕事に対する姿勢や長所があったり、そこを見つけては吸収しよう。"
と思うようにしてました。
結果的に、
あんなに差別してきたのに、
最終的にはとても可愛がってくれたり、
「ずっと働いてね」と認めてくれたり。
もちろん、最後まで変わらない人も。
そのたびに、「無知」と「思い込み」の恐ろしさを痛感。
もし、あなたが同じような状況にあり、
毎日心を痛めているのなら、 無理をしすぎないでほしい。
仕事にやりがいを感じていて乗り切られるのなら頑張ってもいいと思う。
でも、仕事にやりがいも感じられず、 自分の特徴(障害)を差別し攻撃を延々としてくるのなら、
それはあなたが弱いからでもなく、努力不足でもない。
その環境と「縁」がなかっただけの話。
自分から解放していくことも大切。 離れることも大事。
差別や偏見に対して闘ったり耐えることは、 想像以上にエネルギーを使い、自分をダメにすることも。
わたしも、ある職場で、
先輩から、「なんで聞こえないわけ。」「どうしたら、その耳聞こえるようになるわけ。」「聞こえないのは治らないの?」「あなたのせいでわたしは無駄な労力を使ってるのよ」と延々と言われ続け、ごまかしごまかし2ヶ月頑張ったけれど、見事に無理でした。笑
仕事以外の負荷が強すぎて、
これ以上いても自分のためにならないと判断し、離れました。
離れることは逃げなんかじゃない。負けなんかじゃない。
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社会には、冷たい人や無知な人間がたくさんたくさんいます。
その無知を変えていくことは本当に難しいけれど、
自分という存在をきっかけに、「知ってもらう」ことは可能。
理解してもらうのではなく、
知ってもらうように努力することも大事。
理解してもらおうとすると、かえって難しくなる。
他者が持っている何かについて理解するって、すごく難しいこと。
自分の障害がどういう状態で、どのような特徴があり、
どういった助けが必要かきちんと説明できるように、自分を知るのも意外と大事。 そして、笑顔だけは絶やさずに。
もし、 障害について話したところで、
とことん冷たくされたり、縁切られたり、拒否されても、
「この人(場所)とはそれまでの縁だった。むしろ、そっちから離れてくれてありがとう。」
と思うこと。笑
冷たい人もいれば、温かい人もいる。
とにかく、いろんな人がいます。
いろんな人と接することで、たくさん学べることもたくさんたくさんある。
手を差し伸べてくれる人もいる。 理解しようと必死に努力してくれる人もいる。
表に出さないだけで、そっと見守ってくれる人もいる。
これだけは言える。
どんな言葉を浴びたとしても、
あなたは一人ぼっちなんかじゃない。